ピヒティエ

「はじける☆クッキング」久々の登場です。 今日のメニューは当地方の伝統料理、ピヒティエ(Pihtije)。 豚や牛の骨、足、豚の耳などを煮込んで煮込んでゼラチンがたくさん出たスープを冷やし固めるという、いわばセルビア版煮こごりです。 作り方は単純ですが長い時間がかかるので、今では家庭で作られることはまれになったそうです。


スラバの2日前になって、急にダンナサマのいとこネマニャが「ピヒティエを作る」と言い出し、8月12日の日記でご紹介した薪コンロを使うということなのでおもしろいことになってきました。 
ピヒティエ作りはほぼ一日仕事。 自分は他の準備が忙しかったせいもあり、ネマニャとダンナとに任せて見物と決め込むことにしました。


田舎のオーソドックスなピヒティエは、豚の皮、耳、脚や尻尾など、それこそ食べられる部分を取り除いた後のくずばかりを使うのだそうです。 今回はちょっと豪華版にということで、お肉を多めに入れました。
 ・牛の背中あたりの肉 0.5kg
 ・牛のあばら骨つき 0.5kg
 ・豚 もも骨付き 1.5kg
 ・豚 すね肉 1.0kg
 ・豚の耳 6個
 ・牛の脚 1本
豚の耳は燻製済みで、また骨は購入したときすでに割られていました。 骨類はていねいに洗ってから、肉と一緒に大量の水にぶっこんで煮込みます。 ラーメン屋の寸胴みたいな大きな鍋が満杯に。


ていねいにあくを取ります
おぉ〜、この薪コンロやっぱり現役なんだ。 すごいな〜。 ところで写真の鍋があまり大きく見えないのは、ネマニャが横にも縦にも結構な大男だからです。 ちなみに彼はバンドのドラマー。
出来上がりを透明にするため、あくを丹念に取ります。 また、浮いてきた脂もできるだけ取ります。 粒の黒コショウと塩を途中で加えました。


こうしてグツグツ約4〜5時間、煮汁が7割くらいに減ったところで煮込み終了〜。 煮汁を濾して、肉・骨を取り出します。
煮込みが終わったら肉・骨を取り出します


骨と粒コショウを取り除いて肉だけを取り出します。 この肉を手で細かく裂き、さらにナイフで細かくします。
肉を細かくします


肉を深めの皿の底に敷き詰めてみじん切りのニンニクを散らし(これは好みで)、煮汁を上からゆっくりとかけます。
もうすぐ完成!


スープ皿6皿プラス大きなバット1つ分のピヒティエができました。 さあ、後は冷やすだけ。 冷蔵庫には入りきれず、もう十分寒い季節なので暖房の入らない部屋の外の階段に並べて一晩置くことにしました。 ちょっとシュールな光景。
冷やします


さて翌朝。 見事な出来上がり! 皿を逆さにしても落ちません。 皿の中で一口大に切って盛り付けたり、あるいはそのままテーブルに出します。
出来上がり!


口に含むととろ〜りととろけるテクスチャと、牛豚スーププラス黒コショウと生ニンニクの力強い風味が、面白い組み合わせだと思います。 思ったほど脂っぽくもありません。 コラーゲンたっぷりでお肌によさげ。 お肉がたっぷり入っているのでお客にも大変好評でした。
来年のスラバでは、純和風・魚の煮こごりも一緒に出してみるかな・・・なんて。