ビザ更新の話 【後編】

面談の担当者は、初回申請の時と同じ、感じの良いお姉さん。 前回のような基本的な質問やへんな尋問(日本での年収、政治活動関与、夫とはどこで知合ったか、等)はなく、「生活はどうですか? 問題はありませんか? 友達はできましたか? こちらの人々はどうですか?」という感じ。 「色々思うところはあるが基本的に問題はなく、みんないい人だし普通に生活している」という感じで答えました。
「何でも言ってみてください」ときたので、ちょっと躊躇したけど、みんな個人的にはいい人なのに公衆道徳となるとなぜかひどいと例をいくつか挙げて言うと、お姉さんは困ったような顔・・・ もちろん彼女が悪いわけじゃないんで、やっぱ私も言わなくていいことを言ったかな、と一瞬思いました。


今度のビザは有効期限1年間、出入国回数は無制限とのこと。 他に質問は?と聞かれ、最後に前回のビザで不思議に思っていたことを聞きました。 ビザ無しなら日本人のパスポートでは無制限に出入国できるのに、諸書類で私の情報をすべて把握して面接までした上で発行されるビザが、なぜ出入国制限3回なのか?


「でも今度のビザは無制限ですよ」
「いいえ、最初のビザのことを聞いてるんです」
「最初のビザでも3回を越えればまた申請できましたよ」
「手続きのことは知ってます。 理由を知りたいんです」
「面接で当分日本に帰る予定はないと聞きましたから、私の上司が3回という判断を下したのです」
「えぇっ!?  法律じゃなくて、あなたの上司が決めることなの?」
「そうです、ビザの期限3ヶ月という人もいるんですよ」
 (しばし絶句・・・) 「どうせ再申請で許可を下ろすのならなぜ最初から無制限にしないんですか? 滞在期限をあらかじめ決めておきながら、その間の出国には再申請が必要なんておかしくないですか?」
「そういう規定だからです」
「あなた方が規定で動いているのはわかる。 でもそう決められた理由があるでしょう?」
「そうですね、でも理由は私の預かり知らないところです」
「あなた自身はなぜだと思うのですか? どう思っているのか聞かせてください」
「分かりません」


実際は、「次回ビザは無制限だから」「回数は再申請できるんだから」という回答が堂々巡りで、上記よりずっと要領を得ない会話でした。 「分かりません」で諦めたけど、さぞうるさい日本人だと思ったことでしょう・・・。 横で聞いてたダンナサマにも後で「ちょっと頑固すぎたんじゃない?」と言われてしまいました。 だって知りたかったんだもーん。

でもお姉さんはいい人でした。 「これまで時間がかかってごめんなさいね、この手続きはこのあと一番で済ませます。 書類は早速上司に回して、彼がビザに署名をすれば完了ですから、明日パスポートを持って来て下さい」と言ってくれました。


一連の会話も上司に報告されるのかなー、それで心情を害したらまた3回制限付きだったりして・・・ ちょっとまずったかと思ったけど、翌日ダンナサマが持ち帰ってくれたビザは、ちゃんと1年期限の出入国回数無制限。 よかったあ〜。
このビザが下りたことで、やっと健康保険証も手にすることができました。


今回の教訓: ビザ更新申請はお早めに。 少なくとも1ヶ月以上前に・・・。