コメントにお答えして

8月17日付の「病院に行ってきた」に、ちょっと考えさせられるコメントをいただきました。
最近色々思うこともあり、そこへのご返事を書いているうちにエントリ1回分以上の量になってしまったので、こちらに書いてみました。
正直、最近気分がダウン気味なのでネガティブな書き方になっていますが、たまには(いつもとか言わんといて!)お許しを。 いつもできるだけ楽しいことを探して書いてるつもりです。 そうして自分を元気付ける意味もあって。 ここを楽しみに読みに来てくださる方に向けてグチばっかり書けないですしね。
まあ落ち込んでばかりでもしょうがないし。 なんとか気を取り直して次回からは普通のセルビア日記にしたいと思っています。 というわけで今日は番外編。



なお、ここで書いているのはあくまでも戴いたコメントを読んで感じた個人的な考えです。 これが絶対正しいなどというんではないのでご了承下さい。


病院のトイレの汚さ、前回のコメントに入れましたとおり、業者は入っていても経済的問題でお掃除の回数が行き届かないとのこと。 もっと始末が悪いのは使用者のマナーがなっていないことだと聞きました


そこで学校の掃除の話。 ダンナサマに聞くとすべて清掃業者で、自分達で掃除したことなどなかったそうです。 それでもトイレはとても汚いのが当たり前だったとのこと。 トイレ然り街中に散乱するゴミ然り・・・そういう教育を受けてない人たちが公衆道徳に欠けるのは、少なからず関係があるように思いました。 ちなみに彼自身は、幸い自宅が近かったので、できるだけ学校のトイレは使わないようにしていたそうです。 日本では多くが自分達で掃除するんだと言うと、「えー、小学校から?」とかなり驚いていました。 


「キレイキレイ社会ができれば、その対極にあるワイルドなキャンプ生活を求める人も」・・・確かにそういう人はいるんだろうと思います。 ただ、あのコメント内でそう言及された意味は今ひとつつかめませんでした。 無理にこじつけるなら(絶対曲解だけどね)、セルビアにうんざりするような汚い環境や社会組織の無能さ(暴言失礼)が氾濫しているのは、国民がワイルドな社会を求めているから、なんて・・・わけないですね。


それから、人間としての強さとか逞しさとか。 歴史の中で幾多の試練を受けてきたセルビアですから、日本人より精神的に強いというのは一理あると思います。 ただ、それと公衆道徳やモラルがどうからむのか、また、不潔な病院を我慢し続けたりあるいはなんとも思わないことを強さというべきか、私には分かりません。 ただ誰にでも、受け入れられることと受け入れられないことってあるんじゃないでしょうか。 「やさしい」はずの日本に耐えられない何かを感じるセルビア人もいるでしょう。 突っ込んで考えると、何を以って「強さ」と呼ぶかを一概に言うのは難しい気がします。


「図太く生きていかれては」との励ましについて。 その気持ちが揺らぐくらいの病院トイレ事件(と命名)だったから困ってるんですよね・・・。
セルビアに来るにあたっては、まあ「こういう国」だから、もちろんある程度の困難は覚悟の上でした。 たくさん悩みもしたけれど、何とかやっていけるだろうと思って決意したわけです。 それでもやっぱり予想外のショックを受けること数知れず。 経済的にも生活めちゃくちゃ厳しいし。 まあ色々あってもそれらを乗り越えつつ(言葉を変えれば図太く?)やってきたつもりでいます。
それがあの事件で、積もり積もったものがはちきれてしまった気がするのです。 他の人にはなーんだと思えることでも、私にはそれだけ受け入れがたいことでした。 3日経った今でも思い出すたびへこむくらいです。 弱いと言われればそれまで。 それでもここで生きている以上、何があろうと結局受け入れざるを得ないわけですが。


時々周りの友人に、日常の不自由さや公衆道徳のひどさなどをグチることがあります。 大抵そうなんだよね〜とただ同意されたり、仕方ないんだよとたしなめられたりです。 時には過去の歴史経緯などから説明し、事情を理解すれば少しは感じ方も変わるよと、コンコンと説得されることもあります。 ダンナサマが特にそのタイプ。 確かに私の理解が足りない部分はあると認めます。 その一方ではやはり、彼ら自身も悪いところを自覚しながら、言い訳ばかりで改善していこうという意識が足りないようにも感じられてなりません。


また、彼らから幾度となく聞いたことがあるのは、この国はそれほどアクセク働かなくてもなんとかなら生きていけるいい国、でもそれ以上のものを求めるなら居続けても未来はない、ということ。 そうして毎年多くの能力あるセルビア人が国外に出て行きます。
このように彼ら自身すら諦めていたり自助努力に乏しい中で、例えば自分で清掃事業などを始めるなど、とてもそんな気にはなれないのが正直なところです。 (「そんなに嫌な仕事でもないでしょう。みんな自分の家ではやっているんだから」で済むようなレベルの汚さじゃないんだよー! 想像を絶してるんだよー!! 今の日本で暮らす日本人には言葉じゃ伝わらないと思う。 伝えたくもないけど) それくらいのバイタリティーや事業開始の資金があれば、私もさっさとカナダとかNZに移住する方を選びます。 というかすでにその方向で動いているところ。 このブログを訪れる多くのセルビア好きの方には申し訳ないことですが、私も辛いのよ・・・。


「人にはなじむ場所そうじゃない場所というものがあると思います」って、ある人から言われたことがあります。 これも人生、色んなことも良い経験と思って楽しもう、セルビアにだってこんないいところだってあるじゃん、と自分に言い聞かせてきたつもり。 でも9ヶ月経った今、慣れるどころか余計落ち込んでくる始末。 私には相性の合わない場所なのかなあ・・・。 でもここに住んでる以上、それって悲しすぎ。 やっぱりなんとかこの国を好きになって、少しでも気持ちよく過ごしたいとあがいているところです。