SCGのお金の話(前編)

セルビア・モンテネグロ(SCG)の通貨は、これまでも出てきましたがディナール(Dinar)といいます。 今のレートはだいたい100円=61ディナール、100ディナール=164円というところです。


コインの種類は1、2、5、10、20dinの5種類。 紙幣は、10、20、50、100、200、500、1000、5000dinの8種類あります。 10と20の紙幣は少しずつコインに移行しているそうで大抵ボロボロですが、まだまだたくさん出回っています。
ディナールコイン


ディナール紙幣
2dinコインがだいたい100円、1000din札は1000円と同じくらいの大きさです。 5000din紙幣はまれだそうで、私はまだ実物を見たことがありません。


ディナールの価値は弱くて、国民により信頼されているのは昔ドイツマルク、今ユーロ。 友人間のお金の貸し借りやものの売買はユーロで行われる事が多いです。 しかし商店では法律でディナールしか使えないと定められているので、両替が必要になります。 銀行でもできますが、街じゅうにキオスクのような小さい両替所がたくさんあって、多くの人がまとまったディナールを手にしたときユーロに替えたり、買い物前に4、50ユーロの小額をチマチマ替えています。


80年代後半からの旧ユーゴのハイパーインフレは有名だと思います。 93年、経済制裁下でのインフレは年率116兆%にまで上り、一日に値札が2回、3回と付け替えられ、5000億dinというとんでもない紙幣が発行されたほどでした。
5000億din紙幣
この環境で銀行は全く機能せず、信用をなくして多くのお金がタンス預金に回ったそうですが、いまだにその名残か(?)私のダンナサマのユーロはタンス預金です。 ディナールの口座は給与振込やカード支払に使っているけど、ユーロは預けたり引出しに出向く手間ほど持ってないからというのが正直なとこかな(泣)


 →旧ユーゴの高額紙幣はこちら
   (ググって探したページなので、何のサイトなのかちょっと不明)
 →ハイパーインフレの話は、「(旧)ユーゴ便り」)第51回配信「さらば愛しのクララ」に詳しいです。
  すごすぎる。

後編へ続く・・・。


(ちょっと訂正: チマチマ両替のところ、「4、50ユーロ」に訂正。 訂正前の「5ユーロとか10ユーロ」ってそんな金額じゃここでも大した買い物はできません・・・ 失礼しました。)