靴を脱ぐという習慣

今日、近所の5歳の女の子レヤちゃんが、突然ひとりで遊びにやってきました。 ちょっと驚いたけど、さあ入って入って!と招き入れると、玄関を入ったところで靴を脱ごうと・・・。 「あ、いいからそのままどうぞ」と入ってもらいました。


こんな小さい子でも身についているので分かるとおり、こちらでは原則として家の中では靴を脱ぐ習慣があります。
「原則」というのは例外も多々あって、土足で入ってもあわくって引き止められることはなく、むしろ来客には「そのままどうぞ」ということが多いです。 でも、お客としては一応、そう言われるまで玄関で靴を脱ぐ(しぐさをする)のがていねいな礼儀のようです。
また自分の家では普通、楽な室内履きに履き替えますが、たまに靴を履いてしまった後で忘れ物に気付いたときなどさっとそのまま入って行ったりもします。 日本だとヒザで歩いて行くとこだよね! 私だけ?


ここでは靴を脱ぐという習慣には、家の内外という境界というよりも「くつろぎ」という意識の方がかかわっているような気がします。 まあ、日本の家のような地面と床の段差で「家に上がる」という構造がないから、ここからは汚しちゃダメなどという区別もつけにくいんだけど。 来客に靴のままを勧めるのは、靴を脱ぐような面倒な行為をしなくていいですよという配慮ですが、もっともっと親しくなると室内履きを勧められることもあります。 ただしお客様用スリッパを用意している家はまずありません。 家人のをよければどうぞ、ぐらいのものです。
土足OKとは言ってももちろん、床が泥だらけでも平気というわけではないのです。 家やアパートのドアの外には大抵玄関マットが敷いてあって、入る前にゴシゴシ靴をすりつけて汚れを落として入らなければなりません。 これは最低限のマナー。


なお、うちの場合は、寝室だけは室内履きも脱ぐしきたりになっております。 これ、私が始めたわけでなくもとからそうだったんですよ。 やっぱり裸足って、とってもくつろげでいいですよね。


私は、旅行や出張、3ヶ月くらいの出向などそこそこの海外経験があるつもりですが、「住む」のは今回が初めてで、これまで現地の人と同じ生活をしたことはありませんでした。
アメリカのドラマだと靴を脱ぐのはシャワーと寝るときくらい。 ベッドに靴のまま乗るのすら見たこともあるし、裸足になるのは下着を取るに等しいくらいの行為と聞いたこともあります。 というわけで欧米では家でも靴を脱がないと思いこんでたので、半分ハズレみたいな事実にちょっと驚きでした。
でもよく調べると、モンゴル、トルコ、イラン等などいくつもの国で、家の中で靴を脱ぐ習慣があるのだそうですね。


そうそう冒頭のレヤちゃん、彼女はうちのあんちゃん(ネコ)がお気に入りなのです。 15分くらい撫で回したあとで、あっさりと満足そうに帰って行きました。