お金で買えないものがある。

一家の財布は主婦が握っているという表現、日本じゃ普通に聞きますよね。 一応主婦の私ですが、うちは結婚以来ずっと家計はダンナサマ任せです。 住んでる場所や言葉の問題もあって自分で自由に買物できないせいもありますが、もう一つの問題は物価の観念。 これが不安なためについ彼を頼ってしまいます。 物によりますが日本よりずっと安いもの(主に食品)、あまり変わらないものやこちらの方が高いもの(主に工業製品)もあり・・・
もう半年たってだいぶ慣れてはきましたが、日本との比較と言うよりは、収入とのバランスがつかみにくいのです。 これじゃあイカンと、今年1月からExcelで家計簿をつけ始めていますが、結局は買い物担当のダンナサマがほとんど入力する羽目に。 意味なーし! あ、でも一応毎日見てはいますよ。


市場や近所のスーパーでの値段、現在はこんなところです。
今の相場はだいたい100円=60ディナール、 1ディナール=約1.7円。
 ・パン1個(フランスパンくらいの大きさ): 34円(20din)
 ・ジャガイモ 1キロ: 50円(20〜30din)
 ・ほうれん草 1キロ(スーパーのビニール袋につっこんで大体一袋): 85円(50din)
 ・豚モモ肉 100グラム: 56円 (33din、実際の値段表示はキロで335din)
 ・とりモモ骨付き 100グラム: 50円 (29din、実際の値段表示はキロで295din)
 ・卵 10個: 145円 (85din)
 ・牛乳1リットル: 50円〜100円 (30〜60din、製品による)
 ・ビール500ml瓶: 37円(22din、空き瓶と交換の場合。 空き瓶なしだと50din位)
 ・ニベア250ml缶: 427円 (252din、ドイツより高いそう。 EU外だから関税のせいか)
 ・バス代: 120円(71din、クネズセロからニシュまで; 途中下車も均一料金)
 ・ガソリン1リットル: 112円(66din)
 ・映画: 250円(150din)
 ・うちの先月の電話代: 1360円(800din)


などなど。 この国の平均給与は200ユーロ程度(2〜3万円)と言われてて、うちもまあそんなもんです。 ざっくり日本の10分の1と思えば、それぞれの値段が収入に対してどれくらいの価値を持つかの比較にはなると思います。
よくこれで暮らしていけるな・・・でしょ? はーい、私も思う! 当の本人にも分からない謎です。 ここに来た当初は、マジで経済的不安におびえていたものです。 実際すごく厳しいから、生保に入る余裕もなければ、夏休みはハワイ〜♪なんて、寝言言ってんじゃねえという感じ。 お金を払って映画を見るという決意も揺らぐってなもんです。 でも何とか暮らしてるうちに、その不安もどこへやら・・・(^^;) 慣れってこわいね。 まあ、よく考えると老後のこととかやっぱり怖い。


でもね・・・。 私が東京で長く住んでた江東区のアパートの窓の外は葉っぱ一枚見えない景色だったのに比べ、ここクネズ・セロはいま初夏の深い緑に包まれ、耳を澄ませば(澄ませなくても)小鳥のさえずりがいっぱい。 ダンナサマも毎日大体4時くらいには帰ってきて、明るいうちにテラスで食事したりできるわけで・・・。 このプライスレスな幸せを、大事にしなければと思う今日この頃です。