Hristos Voskrese!

今日5月1日はセルビア正教イースターです。 イースターの日は年によって違い、たまたま今年はこんなに遅い時期になりました。
この日の挨拶は「Hristos voskrese!」「Vaistinu voskrese!」(超意訳: 「キリストが復活されましたね!」「本当に、復活されましたね!」) 古いスラブ語だそうで、なんとなくミステリアスな響きです。


何かこの日記のネタになるおもしろいことを期待してたんですが、うちはあまり熱心なクリスチャンではないので、昨日になって卵を何個かゆでただけ。 すみません。 家庭によっては、数日前に何十個も卵をゆでて、カラフルに色をつけたり絵を描いたりして飾ります。 イースターの日から数日かけて食べたり、訪問者に配ったりします。 
卵の色づけでよく使われるのはタマネギの皮で、卵と一緒にゆでると茶色になります。 絵心のない人のために(?)、きれいな絵のお手軽なシールも色々売られています。 うちもシールで済ませました・・・。
うちのイースターエッグ
教会や学校では一番美しいイースターエッグのコンテストもあるそうです。 また、自分の卵を他の人の卵とぶつけ合って、誰のが一番硬くて強いかを競うのもよく行われます。


この日をはさんで1週間ほどはイースター・ホリデーで、学校は1週間程度、企業は会社によりますが数日の休暇期間になります。 特にイースター前の金曜日は「Veliki Petak(大金曜日)」として、労働をしてはなならない日、肉食禁止(卵含む、でも魚はOK)の日となっています。 さらに敬虔な信者は、6週間も前から肉食を絶っているので、イースターの日は豪華なご馳走が食卓に並びます。 そのため、大金曜日の翌日、つまりイースターの前日は市場やスーパーはすごい混雑。 大量のお肉を買い求める人がたくさん見られました。


セルビア・モンテネグロでは、ユーゴスラビアであった社会主義国の頃、宗教は時代遅れの過去の遺物だとして軽んじられる風潮がありました。 そのため、私たちの親の世代はあまり宗教行事をおおっぴらにしなかった、またはできなかったそうで、隠れて洗礼を受ける人もいたくらいです。 実際、ニシュの両親の家では今でも卵さえゆでません。 こんな風にイースターその他の宗教行事が再び行われ始めたのは、社会主義が力を失い、ユーゴが崩壊し始めたここ10数年くらいのことですが、それまで数十年の間にいろいろな風習が忘れられたそうで、残念なことです。 今では教会は、法による保護などもありかなり大きな力を持っているといわれています。
イースターにしろ洗礼にしろ、いろんな慣習が戻ってきているところを見ると、みんなホントはやりたかったんでしょうね。