PRIJATNO!

セルビアの料理って何? ふだん何食べてるの? という質問、よく聞かれます。
少なくとも我が家では・・・普通の日本の家庭料理です。 だって、セルビア料理あんまり知らないんだもん。
そんなうちですが、今日はセルビア「風」メニューで決めてみました。

セルビアの冬の食卓に欠かせないもの。 それはなんと言ってもキャベツです。
日本のように年中色んな野菜が出回っているわけでなく、今の時期、市場で豊富に見られる野菜といえば、にんじん、たまねぎ、ジャガイモくらい・・・ あと、運がよければほうれん草にも出会えますが。 日本人としてはどうしても、葉っぱが食べたくなるものです。そんなときのお助け野菜はキャベツ。 こちらのキャベツは、玉が良くしまっていてずっしり重く、それでいて葉はやわらかいのです。 コールスローサラダにしても良いし、煮込みにも活躍します。
ちなみにこちらの両親のところでご飯をごちそうになるときは、必ずコールスローサラダが出るのですが、これを作るのは義父の役目と決まっていて、義母は手も口も出しません。 キャベツの千切りを酢と塩こしょう、オリーブオイルで和えただけのシンプルなものですが、とってもおいしいです。

また、多くの家庭では、秋になるといっせいにキャベツを買い込んで、翌年の春まで食べる分のキャベツを塩漬けにします。 ドイツのザワークラウトみたいなものですが、塩で漬けただけなのに、なぜかこれがおいしいんですよねー。 漬けたキャベツから出た水分は、ビタミンが豊富だそうで、これを好んで飲む人もいます。

これがそのキャベツの塩漬け。
キャベツの塩漬け
ざっくり刻んで、

オリーブオイルとパプリカ粉末を少しふりかけ、混ぜます。



今日のメインメニューはムサカにしました。 これはギリシャ料理ですが、こちらの家庭でも一般的によく作られます。
セルビア料理については、大塚真彦氏の「(旧)ユーゴだより」に詳しいので、こちらをどうぞ。

第一次大戦後に成立した若い国ユーゴには「ユーゴ料理」というものはありませんでした。スロヴェニアでは豆や野菜を使った質素な食事にオーストリアチロル地方との共通点を見出すのは簡単ですし、クロアチア北部ではグヤーシュ(グーラシュ)などハンガリーの影響が、南部海岸地方では、魚に恵まれていることもありますが、かなりイタリアの影響が見られます。一方ボスニアセルビアマケドニアなど旧ユーゴ東部ではブルガリアギリシアなど他のバルカン諸国同様、トルコ料理に似たものが一般的です。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~katu-jun/yugo/backnumb/yugo0011/yugo0011.html


もう一品、ミックスベジタブルとベーコンで簡単なスープを作って今日のディナーの完成。
今日のばんごはん!



こちらの家庭では普通、食事時には必ずテーブルクロスを敷きます。
料理は大皿に盛られて食卓の中央にでんと置かれ、それをめいめいで取るようになってます。 最初にとるのは料理責任者(つまりうちの場合私。でもお客さんがいればその人が最初)、それから子供その他、お父さんは最後です。
日本語の「いただきまーす」に当たる言葉は“Prijatno!(プリヤトノ)” 「食事を楽しんでね」とか「どうぞ召し上がれ」のような意味ですが、作った人も食べる人も関係なくこの言葉で食事を始めます。
料理はサラダ、次にスープ、それからメインという順番が一般的で、写真では全部のメニューを一緒に並べてみましたが、実際は順にキッチンから持ってきます。 食べる取り皿は、大抵は一枚で済ませてしまいます。 
明日は何作ろうかなあー。