市長選挙

先日の日曜日、ニシュ市長選挙がありました。
今の市長はこの市にある大きなタバコ会社の幹部で既にかなり成功を収めた人。 1年前に市長になったばかりなのですが一部の人々へだけの有利な政策など何かと評判が悪くて、夏ごろからリコールを求める署名運動がありました。 それを受けての選挙です。


選挙カーからの大音響による連呼やポスター貼りまくりもあるわけじゃなく、実は選挙があることすら知らなかった私。 街頭演説はあったかもしれないけど見てないし。 政見放送はローカルテレビで行なわれたのだそうです。 静かな選挙なのはいいことだ。


私には選挙権がないのですが、ダンナサマについて投票所だけ見に行ってきました。 クネズ・セロ地区の投票所は近所の小学校。 教室の一室です。 日本のように投票引換証のハガキなどなく、通常携帯が義務のIDを持参して出かけます。


投票所に入ると、横一列に5人ほど人が並んで座った受付がありました。 まず左端の担当者の前に行くと、右人差し指になにやらセンサーのようなものを当てられます。 いきなりこれが何なのか分かりません。 ひょっとしてセルビア人はみなそこにマイクロチップIDの埋め込みをしているのか!? 意外なところで先進的! ホントにそうだとなんだかイヤだけど!


右隣に移動して今度はID提示。 地区の有権者の名簿と参照してチェックを受けたら、また右に移動してピンク色の投票用紙を受け取ります。 最後に右端の担当者から、指に何か水みたいなのをシュッとスプレーされました。
ここでナゾが解けました。 最初のセンサーのようなものはブラックライト、そして最後にスプレーされたのは蛍光反応のある液体です。 多分1日位落ちないのでしょう。 単純確実、おもしろいダブル投票防止の仕組みだと思いました。 日本だとID提示なんていらないうえ、別人の投票引換証をもらってダブルで投票したって、特に大きな都会じゃ分からないですもんね。
左右に衝立のある記入机は日本と同じ。 記入が終わったら投票箱に入れて終わりです。 投票箱は、みかん箱より一回り大きい透明なアクリルの箱でした。 バラエティー番組でよく見る抽選ハガキがいっぱい詰まったヤツみたいな。


部屋には受付のほかにオヤジサンたちが3、4名。 多分立会人だと思うけど・・・テーブルを囲んでコーヒーなど飲みながら和やかな感じ。 ダンナサマも「よう、コーヒー飲まんかね」と誘われてました。 みんなご近所さんだからね。


選挙速報は当日の夜のうちに出たそうです。 結果・・・現市長がそのまま継続ということに。 夏から一生懸命にリコールのための運動をしてた人たちには残念な結末となりました。 やっぱり利権の絡んだ人たちの勢力が強かったのではという話、どこも同じですね・・・。 今ごろ市長、これ以上ないくらい鼻たーかだか、肩で風切るような気持ちじゃないかな。 今後はより良い市政のため努力してくれることを期待しましょう・・・。