ベオを走る日本のODAバス

ほぼ4ヶ月ぶりのベオグラード。 セルビアに住み始めてから何度か用事で来ていますけど、いつも「都会っていいなあ! 何でもある!」って思っちゃいます。 17年前に初めて来たときは、まあ普通の東欧の一都市、むしろ垢抜けない街だなーという程度の印象しかなかったものですが・・・。
国内第2の都市ニシュに住んでいるものの、この国でベオに次ぐ「2番目」などという謳い文句は何の意味もなしません。 その差は比較でいうなら東京と仙台くらい? (絶対値なら仙台の方がニシュより断然ニギヤカだけど) まあそれくらいセルビア・モンテネグロは、行政だけでなく商業的にもベオグラードの一極集中が非常に激しいところです。


ところでベオ市民の足は市電とバス。 バス網は発達していますが、慢性的な財政難で公共バスは老朽化が著しいです。
ここでひときわ目を引くのが日本から寄贈された黄色いバス。 2002年に日本政府が「ベオグラード市公共輸送力復旧計画」で、市内8路線を対象にバスの購入資金(18億5,000万円を限度とする額)を無償援助したもので、90数台あるそうです。
コメント
車体横に「DONATION FROM THE PEOPLE OF JAPAN」と書かれています。 誇らしい気持ちの一方、こうデカデカ書かれてるとなんだか照れるというか。 私の貢献度、ネジ1本分くらいはある?


この寄贈、条件の一つが「いつもバスをきれいに保っておくこと」だったということです。 2度ほど乗る機会がありましたが、ちゃんと約束を守ってよく掃除してありました。 エンジンも静かだし、乗り心地はGOOD。
日本からセルビアへの援助は他に、各都市の医療機関への高額な医療機器の寄付などもあります。 そのためばかりではないと思いますが、この国の人の日本に対する感情はおおむねよいと言えます。


そういえば湾岸戦争時、日本は多国籍軍に130億ドルもの財政支援をしましたが、クウェートが米紙に掲載した「感謝国リスト」30カ国の中には日本の名前がなかったことを思い出しました。 2002年2月に発表されたアフガン戦争をめぐる貢献国リストにもまたもや日本の名前はなく、「顔の見えない日本」という言葉が日本にショックを与えたものです。
でも、ここでは少しは「顔の見える日本」があるように思えます。 ちょっとうれしくなりました。